2018年度 武山政直研究会Panasonic班 活動報告

この研究プロジェクトが注目したのは、綱島サステナブル・スマート・タウンの国際学生寮に住む外国人留学生と日本人学生のコミュニケーションです。

留学生の日常生活に関して調査したところ、特に、日本人との初対面の会話が思うように続かず、その後のコミュニケーションや関係づくりに繋がっていないことがわかりました。そこで、この研究は、留学生と日本人学生との初対面の会話を、映像や音声のメディアを使ったアクティビティで促進し、再開時にまた話したいと思えるようなきっかけづくりを行うことを研究の目標としました。

研究のプロセスとして、まず留学生と日本人学生との初対面時の会話を観察し、インタビューを行って、その体験の流れを会話のジャーニーマップとして視覚化します。次に初対面の会話のジャーニーを、①ファーストコンタクト、②話し始めて盛り上がる前、③盛り上がる話題を見つけた後の3つのフェーズに分けて、それぞれに会話が挫けるペインポイントを抽出。そして、これらのペインポイントを映像や音声を利用した写真コラージュや地図マッピングなどのインタラクティブなアクティビティによって解消するコミュニケーション支援策を検討し、簡易プロトタイピングによる検証を行いました。

その結果、これらのアクティビティによって会話を促す空気が生まれ、発する言葉の量も増え、盛り上がる話題がより早く、多く見つかり、相手の話に興味を持ちながら質問できるようになるなどの好ましい変化が起きました。実際の継続的関係性が築かれるのか？その後はどうなるのか？それらの問いに答えるために、さらに研究を続けていく必要があります。また、この研究の対象は留学生ですが、同様のニーズは、外国人労働者やインバウンド観光客と日本人とのコミュケーションにも当てはまるため、このような研究のサービス化も大きなチャレンジです。