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Panasonic班 研究プロジェクト成果報告 要旨

2017年に研究された4つのプロジェクトのうちの1つである、株式会社Panasonicとの研究成果を報告いたします。


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産学連携プロジェクト研究要旨

【地域共創の実現を目指した活力を育むスマートタウンの仕掛けつくり】

武山政直研究会

松本恭兵 杉山万由子 磯野留以 中村萌菜美 町田侑芽 北澤太地 長田椋平


1. 概要

本研究は、慶應義塾大学経済学部武山政直研究会とパナソニック株式会社との共同研究プロジェクトとして、2018 年 4 月に街開きを迎える綱島サステナブルスマートタウン(以下TSST)の資源を活用したサービスを提案することを目的に実施された。


2. 課題と魅力の発見 サービスの企画検討に先立ち、TSST の立地する綱島地域の雰囲気や実情を把握するとともに、 TSST の将来の発展に向けた機会や課題を設定するためのフィールドワークを実施した。 その結果、同地域には温泉や桃という古くからの文化的資源があることや、地域色が感じられ る商店街が未だに残っていること、そして TSST や新たな駅などの新たな施設が次々と誕生し ていることがわかった。また、比較調査の観点から、先行して開発された藤沢市の FSST(藤 沢サステナブルスマートタウン)にも足を運び、スマートタウン街区と周辺地域との良好な関 係性の構築の重要性を認識した。その結果、綱島には多様様々な特徴を持った地域性が混在し ており、それまで抱いていた「綱島は TSST ができる街」という断定的な考え方は適切ではな いことがわかった。ここで、TSST 周辺を「TSST 商圏」と定義づけ、綱島とも日吉とも異な るエリア設定をした中で、TSST 周辺住民の生活地域への意識を深めるため、デプスインタビ ューを実施した。対象者は、TSST 周辺住民(子持ち専業主婦、子持ちワーキングマザーな ど)、そして TSST 内に国際学生寮ができることから、すでに国際学生寮に住んでいる留学生 で、それらの人から TSST に関するニーズの発見を試みた。


3. サービスの想定ユーザーの選定 「TSST 周辺住民理解」と「TSST 自体の理解」を目的に、TSST 資源の洗い出しならびに

TSST 周辺住民や留学生へのデプスインタビューを行った結果、以下の気づきがあった。 まず、子持ち専業主婦、子持ちワーキングマザーについては、


1 子供が行動の原動力であり、習い事やイベントにはなるべく行かせたいという意思がある2 子供に関する様々な情報を日常の中で能動的に集めている ということが確認され、国際学生寮に住む留学生については、 1 「食」を基点に交流が生まれている

2 限られた日本滞在期間のなかで、いかに充実した経験をするかを大切にしている ということが明らかとなった。


上記の知見をもとに、「子持ちファミリー」と「日本が大好きで日本に来ている留学生」をサ ービスの想定ペルソナとして設定した。


4. サービスアイディア考案

「想定ペルソナのインサイト」と「パナソニック社の技術」、そして「想定提携事業者」を掛け合わせてサービスのアイデアを発想し、想定ユーザー層である地域住民の参加する共創ワ ークショップを開催して、その検討を行った。第一回ワークショップでは TSST 住民と留学生 のニーズやインサイトをもとに「食」、「教育」、「子育て」、「国際交流」、「地域交流」 の5つのテーマに絞ったサービス案を検討した。第二回ワークショップでは、住民の方々から の意見をもとに、共感値の高いサービス案を3つにまで絞り込んだ。両ワークショップを通じ て、「親子で学びたい」「子供と同じような体験をしたい」といったインサイトが得られた。

そして、これらを中心的価値においた T-Uni(5 つの部門から成り、TSST と地域大学生が連 携し、大人も子供も楽しめるリアルな体験を提供する場。形態はプラットフォーム型アプリと して、体験参加までの動線をサポートする)と、Global Kitchen(T-Uni の 5 つのカテゴリー の内、カルチャー部門に属するサービス名。料理サークル kettle と留学生を中心に親も子供も 楽しめる料理教室を開く)をサービスアイディアとして考案した。


5. サービスアイディア検証(プロトタイプ) Global Kitchen の想定ユーザーによる評価を行い、その実現に向けた知見を得るために、第一回プロトタイプを実施した。慶應の料理サークル Kettle の学生を料理教室の運営者として、 綱島住民である3組の世帯を参加者として迎え、留学生の国籍(スペイン・アメリカ)ごとに2 班に分かれて料理や食事、交流を図った。評価に当たり、 ユーザーにとってのサービスの価 値を、誘惑(認知)→参加動線→体験中→体験直後→体験後の繋がりという段階に分け、それ ぞれの反応を確認した。この結果から、親は留学生と関わりながら、子供に料理を教えること が理想の体験であることがわかった。従って、TSST で実現するサービスのコンセプトとし て、留学生と親子が料理を通じて交流を深める設計が必須であることが確認された。第一回で は親子で交互に料理をしていたが、第二回のサービスプロトタイプでは、親が子供に料理を教 えつつ、留学生とも異文化交流できる体験を設計し、同様の評価を行った。



6.結論

本研究を経て、Global Kitchen は、常に種々雑多な用事に追われ、我が子の教育や経験のことに集中できていない現代の親に「料理を子供に教えられる」、また「地域大学の留学生や学 生と交流できる」という貴重な機会を提供することが価値になることがわかった。今後の流れ としては、T-Uni のサービス詳細も並行して詰めつつ、Global Kitchen との整合性を図っていく。

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