Service Design 101
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サービスデザインをご存知ですか?
武山研究会では、従来の経済学からは一歩離れたサービスデザインという新たな経済社会・ビジネスのデザイン手法を学んでいます。みなさんサービスデザインを聞いたことありますか?どんなものかご存知ですか?
それは、消費者の体験価値を新しく定義する学問。サービスデザインは、従来の企業目線のサービス開発ではなく、ユーザーの体験価値に重点を置き、ユーザーが本当に欲しい価値=インサイトを導き出しサービス設計を行います。
生活者起点のデザインプロセス。
サービスデザインで最も大事なことは、生活者一人一人の声から潜在的意識を発掘することです。現代社会では、これまでのようにただ車をデザインして販売するだけでなく、MaaSに代表されるように、長期的にユーザーと関わり合い、プロダクトをサービスとして捉えることが増えてきました。デザイン思考の一つであるサービスデザインでは、生活者が本当に欲求する「モノ・コト」はどうあるべきか、今はまだ現実になっていない少し先の未来を見つめ続けていきます。サービスデザインには、大きく分けて4つのプロセスがあります。サービスを展開する機会を発見するための「探る(Discover)」「定める(Define)」の2つのプロセスでは、生活者一人一人に寄り添ってインサイト(潜在的欲求)を探り発掘していきます。そして、この2つのプロセスで分かった生活者のインサイトをもとに、「試す(Develop)」「生み出す(Deliver)」の2つのプロセスでアイデアを発想し、サービスを具現化していきます。

実はあの任天堂のWiiもサービスデザインに当てはめられるんです。
ゲームに新たな価値を生む。
みなさんゲームにどんなイメージを持っていますか?ゲームって色々なイメージを持ちがちです。悪いイメージも、いいイメージも。これまではゲームは一人、多くても二人程度で遊ぶもので、家族が団欒しながら遊ぶというイメージがなかった。任天堂は、そこで新しく開発するゲームに新たな体験価値を定義することにしました。
サービスデザインでは、まず生活者の意見に耳を傾けることから始まります。任天堂は、プレイする子供たちだけでなく、家族である親御さんからも意見を聞きました。任天堂が提供したい価値を定義するのではなく、生活者がゲームに対して何を想っているか、そこから発想をすることで生活者が本当に欲しいと思えるサービスが誕生します。1000回にも渡るプロトタイプの結果、子供にも親御さんにも喜んでもらえるゲームとは何か。答えに辿り着きました。最終的に任天堂は「ゲームは家族が楽しむことができ、親子関係をよくするもの」として、家庭用ゲーム機の体験価値を再定義しました。家族で楽しむことができるように設計されたWiiは、これまでにはなかったユーザーエクスペリエンスを提供する画期的なプロダクトとして誕生し、子供のいる家庭を中心に爆発的にヒットしました。
従来のサービス設計では、まず企業がビジネスとしてどんなサービスを打ち出したいか考えて、そこからそのサービスが生活者にとって有意義のものであるのかリサーチを行なってサービスとして具現化していきます。対して、観察・リサーチからユーザーの本当に欲しい価値=インサイトに焦点を当てることで、マーケットにおいて本当に必要とされる体験価値を創出することができます。
